『マイ・ラウンジ・ミュージック』への思い 2017 秋 ④~今しか出せない音。
2017年 09月 18日
演奏家は自分のパートナーが亡くなったり、家族や大切な人に不幸があったり、つらいことがあると演奏に気持ちが入るので、内容が洗練されて来る、つまり良い内容になるなんてよく聞く話だけれど、自分のピアノにもそんなことが起こるとは思いませんでした。正直自分でも驚きでした。きっと今しかこんなピアノは弾けないと思う。この今のピュアな気持ちを、これまでに無く洗練された心からのピアノの演奏を記録しておくべきでないかと思った時に、迷わず一つの結論に達しました。
今だからこそ弾ける僕のソロピアノを、貯まっていたラウンジピアノのレパートリーで録音しよう。
母が亡くなって、残念ながらバンドでのレコーディングは中止になってしまったけれども、幸い僕のスケジュールも、エンジニアの富さんのスケジュールもそのままキープされていた。無理な思いつきだけれども富さんにその旨お願いすると、
「やりましょう!」
何かに惹きつけられる様に、ものごとが進み始めていく。富さんのコーディネートにより、急な事で時間が無いにもかかわらずソロピアノ録音用のスタジオが奇跡的に押さえられた。まさかこのタイミングでソロピアノのレコーディングが現実に動き出すとは思いませんでした。
つづく
by itasunsun
| 2017-09-18 00:17
| 音楽