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『マイ・ラウンジ・ミュージック』への思い 2017 秋⑤~Moon River

さて、今日からはCD『マイ・ラウンジ・ミュージック』に収録されている曲目に関して語ってみようと思いますが、2月の一回目のレコ発前に投稿したコラムを引用しようと思います。
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今度のソロアルバムには、「ムーンリバー」「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」「ひまわり」「この世の果て」など、人々にとても愛されていて、毎日何処かでボーカリストにジャズクラブで歌われている曲を多く取り上げています。デューク・エリントンの曲も含めて、オリジナルの曲の雰囲気を出来るだけ残した演奏を心がけたつもりでいます。

仕事でボーカリストのpiano伴奏をすることがあるのですが、駆け出しの若い頃はこれがあまり好きではありませんでした。歌がメインですから、Pianoは自己を抑制したPlayをしなくてはいけない。でも当時何しろ若くて、情熱とエネルギーが満ち溢れている訳ですから、たくさん音数を自由にあらゆる方法で弾きたくて弾きたくてたまらないわけです。正直「ムーンリバー」などのシンプルで何度も演奏される譜面を歌手から渡される度に、「またムーンリバーかぁ。つまんないなぁ。ハイハイっ」なんてどこかで思っていました。

でも年齢を重ねると随分考えも変わってきます。自分の人生に照らし合わせて、歌詞やメロディーが心にしみてくる様になります。映画「ティファニーで朝食を」を当時観た僕らの先輩方ははきっとアメリカ、ニューヨークの都市の華やかな生活にあこがれ、夢見たことでしょう。そしてやっぱりムーンリバーは、オードリー・ヘップバーンがギター片手に、アパートの外階段で歌うあのシーン。やはりあのバージョンに懐かしさを覚えるのではないかと思うのです。

「曲は単なる題材だからどんな展開になっても良い。予想がつかない様な即興演奏こそJazzだ!」というのももちろんジャズの醍醐味なのですが、僕らの演奏を聴いて、お客様に何が伝わるか、どんな事を想像するか、そして楽しんでいただけるか。そんな事に今一番興味があります。予想がついてもいいし、必要のないハプニングを無理に求めることもない。

いまボーカリストとの共演はとても楽しいです。もちろんpiano奏者なので、歌詞の内容まで全て把握するのは時間的にも難しいのですが、曲の持つ雰囲気、歌手の息遣い、何かを伝えるには音数、パワーだけでなくできるだけシンプルな方がいい場合もたくさんあります。音数をたくさん弾く夜もあるし、ほとんど弾かない夜もあっていい。そう考えると、気持ちの上ではインストも歌伴も究極のところ自分自身のなかではそんなに変わらなくなって来ました。

まっ、こんなことも忘れていただいて、第2弾のレコ発ライブは皆さん自由に楽しんでいただければ嬉しいです。いっぱい弾く曲もありますし、ほとんど弾かない曲もあります。喋りはどうしようかなぁ。。。

あしたも頑張ります😄

by itasunsun | 2017-09-27 12:08 |

今日も楽しく!Jazz Pianist板垣光弘の日記です!


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